VISIONの文脈

ONE VISION , BIG FUTURE

仕事も趣味も楽しむために オリジナルな「キャリア未来地図」の描き方

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正社員が前提のキャリア論の終焉?

「このまま今の仕事を続けて果たして意味があるのだろうか。」「会社と家の往復だけで消耗していいのだろうか。」「好きを活かして起業したい」といった不安や希望を胸に秘めている人も多いだろう。

一般的にキャリアについて考える際、まず前提としてあるのは「会社員としての自分」を組織のなかでどう成長させていくかということだと思う。

しかし、会社の寿命は短くなっていて、いまや「個」の力が重要視されている時代と言える。キャリアを会社という枠組みのなかだけで設計していくには限界があるのかもしれない。

 だからといって、会社を辞めていますぐにフリーランスや起業、転職することがいいことなのだろうか?

 誰もが直面するキャリアの悩みに、「会社人生」のみの「一本道」ではなく、「ライスワーク(仕事)」と「ライフワーク(趣味)」の2軸からなる「AND思考」でのキャリアデザインを提唱しているのが本書。

 

リクルートの千葉氏と電通・エイベックスと渡り歩き、独立した原尻氏の共著は、会社を辞めるかそのままかの「二者択一」思考に陥りがちな人に最適な、「キャリアデザイン」の指南書だ。

 会社という「枠組み」にとらわれず、仕事も趣味も楽しみながら成長したいと思う方は、本書からあなただけの「キャリア未来地図」の作り方を学び、人生まるごと楽しもう。 

本書のポイント

  1. キャリアは"2軸"で考える
  2. 仕事でも趣味でも"価値"を生み出す意識を
  3. "キャリア未来地図"で人生をデザインする

 

キャリアは「2軸」で考える

従来のキャリア論は、「会社員としての自分」であることを前提にどの部署に配属され、そのなかでどう昇進するかや、はたまたどの部署に異動するかなどあくまで「会社」に限定した考え方だった。

 「会社」が前提のキャリア論には、「この会社でのしあがるにはどうしたらいいか」「上司や同僚に嫌われない程度にうまくやりすごそう」など、なんとなく不自由で制約のある会社人生が見えてきてしまうだろう。

また今の会社が合わなければ「転職」するという道もあるが、これはもあくまで「会社間での移動」であり、場所を変えただけで「会社にいること」によって生じる悩みは同じ。

本書ではこうしたキャリアを「会社人生」だけで考える「一本道のキャリア論」と否定し、仕事と趣味を両立した「2軸」でのキャリアデザインを提案している。

つまり、好きなことをやるためには会社を辞めてすぐに転職や独立するかという「二者択一のOR思考」ではなく、会社に在籍しながらも仕事と趣味のスキルを高める「AND」思考でキャリアを考えることで、人生をより有意義にすると説いている。

 

人生を複線化して、いろんな物語が交錯して、シナジーとエナジーとが膨らむ発想。また「AND」にシフトすることで人生のリスクを回避することもできる。そんな新しいキャリアの視座をもつこと。 

 

「AND」思考に重要な2軸とは、「ライスワーク」(食べるための仕事)と「ライフワーク」(生涯にわたって追い求めるもの)だ。

 キャリアデザインにおいて、仕事(ライスワーク)と趣味(ライフワーク)を切り離さず包括的に考えることで、両者がスパイラル状に絡み合い高いシナジー効果が生まれる。

そうすることで、その相互作用から仕事も趣味も楽しくなりライスワークでは「やりがい」を、ライフワークには「生きがい」を持って取り組むことができるという。

 

ここで重要なのは「ライスワーク」と「ライフワーク」を「創造者」レベルになるまでそのスキルを高めることだという。

 

仕事でも趣味でも「価値」を生み出す意識を 

普段の仕事では「ただ言われたことをこなすだけの作業」から「付加価値を提供する仕事」へ。趣味では「自己満足するだけの消費」から他の人が「欲しいと思うもの」を提供できるようになれば「創造者」レベルに到達したと言えるという。

たとえば新卒で入社して数年の若手社員(中堅、ベテランクラスでもそういう人がいるかもしれないが)では、趣味は趣味で、単なる自己満足のための「消費活動」であったり、仕事の「ストレス解消の場」と考えている人も多いだろう。

しかし、創造者になるには、「ライスワーク(仕事)」も「ライフワーク(趣味)」も受け身の姿勢ではなく、自ら「価値を生み出す」人にならなければならない。

 

人に指図されないとは、自分が活動の主体で、何をやるにも当事者でしかあり得ない。そして活動内容が消費ではなく創造であるなら、こりゃ全然疲れない。自ら何かを生み出していること自体が喜びだから。身体は多少きつくても嬉しくて。(中略)ストレスだらけの「やらされ仕事」とは正反対です。

 

本書では、仕事も趣味も受け身の「消費者」ではなく、少しでもいいから「主体者」「当事者」として積極的に関わり、「創造者」レベルまでそのスキルを引き上げることが必要だと説いている。

しかし、「ライスワーク(仕事)」も「ライフワーク(趣味)」もまだまだ一人前とは呼べない「消費者レベル」というかたも多いと思う。

 ここで重要なのは、まずは焦らずあなたの「キャリアの現在地」を知ることだ。

 

「キャリア未来地図」で人生をデザインする

趣味も仕事も「消費者」レベルという方も、趣味は既に創造者レベルという人も、まずは自分の仕事と趣味の「現在地」を把握することから始めることだ。

現状を知り、いまの自分が持つスキルを整理することで、自分らしさを十分に活かすことができる「キャリア未来地図」を描くことができ、人生そのものをデザインすることに繋がるだろう。

「キャリア未来地図」において「ライスワーク」では、こなすだけの「労働」を付加価値をつける「仕事」に、「ライフワーク」では、ただの消費である「趣味」を「特技」へと変えることをゴールとし、いま自分はどのレベルにいるのかを見極めることが必要だ。

しかし、残念ながら入社1年目〜3年目ぐらいの若手にとって「ライスワーク」は、「労働」だ。なぜなら、スーパスターでない限り、入社早々一人で仕事をこなして、価値ある仕事を生み出すのは不可能に近い。まずは、上司に与えられた仕事を「こなす」ことで精一杯だろう。

 しかし、「労働」のなかでも「仕事」をすることはできる。

 

ちょっとした工夫で作業が効率化できたり、利益率を上げたりすることも立派な仕事。商品開発だけが「仕事」じゃありません。社内の伝票フォームを改良するのだって、地味ですけど大事な仕事だと思います。

 

一見、地味でつまらないと思われる作業の中にも、自身の工夫により「価値」を生み出すことで、「創造者」へと一歩づつ近づくことができるのだ。

また「ライフワーク」では、自分の好きなことに熱心に取り組んでいるものの、他者に何も価値を提供できず、「自己満足」で終わっているものは趣味だ。

 

自分にインプットするだけではもったいない。夢中になるほど自分が好きなことだからこそ、「消費」に止まってないで、もう一歩先に進んで欲しい。何かを「作って」欲しいのです。

 

反対に、自分の好きなことで、誰かに喜んでもらうなどの「価値」を提供できることは趣味ではなく、「特技」と呼べるだろう。

例えば、読書が好きな人はそれについて学んだことを自分の見解も入れてブログに書評を書く、歌が好きな人は、バンドを組んで路上ライブするなどもそうだろう。

「ライスワーク」を「仕事」に、「ライスワーク」を「特技」に到達させることを目標に、日々鍛錬を積むことで、それらが融合した日には「想像していなかった世界」へとあなたを連れていってくれると本書では述べられている。

 

そのために、まずは自分の持つスキルが、「労働」「趣味」レベルなのか、「仕事」「特技」レベルまで達しているのかを見極め、キャリアを整理することが必要なのだ。

 この点の詳細について本書内で、あなたらしい「キャリア未来地図」をつくるためのフォーマットが用意されているので、ぜひこれを参考にして理想的なキャリアをデザインしてほしい。

 

まとめ 

本書では、著者の千葉氏と原尻氏の「ライスワーク」と「ライフワーク」の軌跡についても触れらており、これからのキャリアを考えていくうえで、大変参考になる良書だ。

 もし、いまの仕事を楽しめず、「やらされ仕事」になっている、これからのキャリアに漠然とした不安があると感じているという人にとって、本書はモチベーションと未来への指針を与えてくれるはずだ。

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