VISIONの文脈

ONE VISION , BIG FUTURE

"創造性の友" 戦略的「先延ばし」がアイデアとチャンスを最大化する

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誰もが「オリジナルな人」になるために

 

"本書は、「本性」としてリスクを回避しようとする「ふつうの人々」が(ふつうの人だからこそ)、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、「オリジナルな何か」を実現させるための様々なヒントを数多く含んでいる。 "

 

世界を進歩させるオリジナルの人の多くは「天才児」ではなく「ふつう」の人と主張し、その「ふつうの人」が「オリジナルな人」になるためについて論じられているのが本書「ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 」。

 

今回はそこから「オリジナルな人」になるために必要な「アイデア」と「チャンス」を最大化する方法について紹介する。

 

 

アイデアとチャンスを最大化する3つのポイント

1、いいアイデアは「放置」から育つ

2、戦略的先延ばしが「柔軟性」を生む

3、ビジネスの成功は「タイミング」で決まる

 

 

 

1、いいアイデアは「放置」から育つ

本書では、ある課題に取り組むときそれを「先延ばしにする」という行為が、オリジナリティを生み出すと主張する。これは、単に時間をダラダラと過ごすという意味ではなく、やらねばならない課題を「意図的に遅らせる」という意味だ。

つまり、課題には取り組みつつも、一旦は頭の片隅に置いておき別の事に取り組む事で、さまざまなパターンを考える時間をつくる。そうすることで、より幅広くオリジナルなアイデアに思考を巡らすことができ、最終的によりよいものを選ぶことができる、と説いている。

本書ではある大学の学生に、新しい事業プランを提案させるという実験が行われ、その結果が示されている。それによると、課題を先延ばしにした学生の提案書は、すぐに課題に取り掛かった学生よりも28%も創造性が高く評価された。

著者の見解では、課題をすぐさま開始したグループは、少しの休憩を挟んだとしても、特定のアイデアに固定されてしまったが、課題のことを一度放置し、意図的に先延ばしすることで、意外な可能性にまで考えがおよび面白いアイデアが生み出されたと推測する。

また、このことは偉大な思想家や発明家にも当てはまるという。その例として、「先延ばしグセ」を自覚していたと言われるレオナルド・ダ・ヴィンチの最期の作品「最後の晩餐」はおよそ15年を費やして完成したのだという。

 

"先延ばしは「生産性の敵」かも知れないが、「創造性の源」にはなる。"

 

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2、戦略的先延ばしが「柔軟性」を生む

戦略的「先延ばし」は仕事にも応用することができ、クリエイティブな仕事には特に有益だという。

なかでも興味深いのは、先延ばしのメリットが「即興で何かをする余地が残る」ことだ。

心理学者ドナルド・マッキノンの研究によると、アメリカでもっともクリエイティブ能力の高い建築家と、有能ながらもオリジナリティのがないと自らを評価する人たちを比較したところ、前者は"行き当たりばったり"であることが分かったという。

また、ピザのチェーン店の研究からは、もっとも利益率の高い店舗の店長は自らを、非常に効率が悪く、テキパキと仕事ができないと評価しているし、インドにある約200の企業の研究では、利益のもっとも高い企業は、CEOによる効率性と機敏さの自己評価がもっとも低かったという。

上記のケースからわかることは、成功している組織を運営する責任者は、仕事に取り掛かる前に時間をムダにすることが多く、決められた時間までにものごとをこなすためのペース配分を苦手とし、本人もそれを自覚している。

しかし著者はこうした先延ばしの習慣は効率性を重視する業務の妨げとなる一方で、戦略的に柔軟になる余地が残されると主張する。

ここで、先ほどのインド企業の研究から「各企業のCEOの戦略的な柔軟性の評価」を引き合いに出し、仕事を遅らせる傾向のあるCEOは、柔軟性が高く評価されていたという。

"緻密に計画を練り、早めに行動し、勤勉に働くCEOは柔軟性がより低いと評価されていた。いったん戦略を策定すると、それに忠実にしたがっていたからだ。

一方で、仕事を遅らせる傾向のあるCEOは、より柔軟で多才であると評価されていた。新しいチャンスを活かし、問題にも対応でき、戦略を柔軟に変えることができていた。"

 

 

3、ビジネスの成功は「タイミング」で決まる

ビジネスでの成功要因とは何なのか? 本書では、もっとも重要な要因を、アイデアのユニークさやチームの能力や実行力でもなく、全ては「タイミング」だと説いている。

ここに面白い研究結果がある。マーケティングの研究者ピーター・ゴールドとジェラルド・テリスは「先発企業」と「後発企業」に関するビジネスの優位性に関する調査をした。その結果、先発者となることは、利点よりも不利な面が大きかったという。

「先発企業」を、いち早くある製品を開発もしくは発売したパイオニア企業、「後発企業」を先発企業が市場を形成したのを見届けてから参入した企業と定義。そして、30以上の異なるカテゴリーで何百ものブランドを分析した結果、先発企業の失敗の確率は47%、後発企業は8%だったという。

一般的に、後発者は「人まね」という汚名を着せられることが多いが、こういった固定観念は明らかに的外れであり、後発企業は既存の需要にしたがって動くのではなく、好機が巡ってくるのを待ってから新しいものを導入しているからうまくいくのだと著者は主張している。

本書では、任天堂が後発者でありながら、家庭用ゲーム機業界に革新をもたらしたことを例に挙げている通り、後発企業は先発企業から学びを得たり、市場の変化と顧客の好みの変化を観察し、それに応じて製品やサービスを変えていくことできるのだろう。そういった意味で、サービスのリリースなどにおいては適切な「タイミング」こそが重要なのである。

"オリジナルであるには、先発者である必要はない。オリジナルであるというのは、他とは異なる、ほかよりも優れているという意味である。 "

 

 

まとめ

本書では他にも、オリジナルな人たちの共通項を様々な研究結果をもとに論じられている。

アイデンティティや個性が求められる時代、「ふつうの人」が「オリジナルな人」になるためのたくさんのヒントが詰まった一冊。

気になる方は、ぜひ一度手にとってみて欲しい。

 

こちらのTEDトークも参考になるかもしれない。

アダム・グラント: 独創的な人の驚くべき習慣 | TED Talk | TED.com

 

 

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