VISIONの文脈

ONE VISION , BIG FUTURE

あなたにも必ずある「やり抜く力」の伸ばし方

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「やり抜く力」が「才能」を超える

30歳を目前にすると、人は2つのパターンに分かれてくることがわかる。1つは、「俺の人生これからだ。やってやるんだ。」という人。そしてもう一つは「俺の人生こんなもんだ。もう頑張ることはやめよう。」そして後者はこんなことを考えているのかもしれない。

 「やりたいことが見つからない」「自分には才能がない。そんなこと出来っこない」「何をやっても長続きしない」だから、「もう頑張ることはやめよう」という負のスパイラルに陥っているのだろう。

 でも、ちょっと待ってほしい。僕も後者のように考えてしまう一人だが、やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』で諦めることを諦めることにした。

 本書では、「才能」ではなく「グリット」(やり抜く力)を高めることで、成功へと近づくと主張している。著者はペンシルベニア大学心理学教授であり、アメリカの教育界で重要視されているという「グリット」研究の第一人者。つまり本書は、そんな著者が「やり抜く力」について学んできたことの集大成だ。

「やり抜く力(グリッド)」は、固定したものではなく、変化することもわかっている。科学の知見によって、「やり抜く力」を育むための方法も分かってきているのだ。

 

GRITを手に入れるポイント

  1. GRITとは「情熱」×「粘り強さ」
  2. GRITは年齢とともに”強く”なる
  3. GRITは「成長思考」で伸びていく

 

GRITとは「情熱」×「粘り強さ」

本書の主題である「グリット」とは「やり抜く力」のこと。それを分解すると「情熱」と「粘り強さ」の二つの要素から成り立っているという。

「情熱」とは、自分のもっとも重要な目標に対して、興味を持ち続け、ひたむきに取り組む「姿勢」のことであり、「粘り強さ」とは、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力をつづける「行動」だと定義している。

そして、本書でもっとも興味深いのは、起業家、スポーツ選手、研究者など、それぞれの分野で成功し、一流と呼ばれる人の共通点は、生まれ持った「才能」ではなく「やり抜く力」が高いこと。そして、この力が重要であることを科学的に証明していることだ。つまり、あなたも「グリット」を高めることで、自身が目指す分野で偉業を達成することも不可能ではなくなるのだ。

 

どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分がなにを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。このように、みごとに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり、「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。

 

この「やり抜く力」を維持するためには、「自分がこれだ!」という分野に対して、常に強い探究心、興味、そして強い意欲を持ち続け、地道な努力を長年に渡り継続していくことが重要なのだろう。

でも、「私はこれだというものが見つかってないし、すぐ挫折する。それにやり抜く力なんか持ち合わせていないよ。」という方もいるだろう。しかし、ここに興味深いデータがある。

 

GRITは「年齢」とともに"強く"なる

本書の、アメリカ人の成人を対象とした大規模な標本調査によるデータでは、「やり抜く力」がもっとも強かったのは65歳以上の人々であり、もっとも弱かったのは20代の人々だっという。

これは時代の文化的背景(日本で言うところの「ゆとり世代」と「団塊世代」のように)による違いとも見られるが、必ずしもそうではなく、人は歳を取るにつれて「成熟する」ことなのかもしれないと著者は推測している。 

 

私たちが自分の人生哲学を見出し、挫折や失望から立ち直ることを学び、さっさと見切りをつけるべき「重要度の低い目標」ともっと粘り強く取り組むべき「重要度の高い目標」のちがいをしっかりと認識するにつれ、「やり抜く力」は伸びていく。「成熟」のストーリー(体験談)が示しているのは、歳を取るにつれて、私たちの「情熱」と「粘り強さ」を持続させる力は強くなるということだ。


この年月とともに成熟していく「やり抜く力」を強化するには4つのステップがあり、それは 1,興味 →2,練習→ 3,目的 →4,希望だという。詳細は割愛するが、是非本書で確かめて、実践してみて欲しい。

「やり抜く力」を高めていくなかでも、自分の思い通りにいかないことによる焦燥感やもうどうにもならないというような絶望感にぶつかるなど、時には様々な逆境を迎えることがあるだろう。

そのときに、もっとも重要になるマインドが「成長思考」だ。

 

GRITは「成長思考」で伸びていく

成長思考とは、「自分が持つ能力は、固定的ではなく、常に変化し向上するもの」と考えることだ。そして、本書に登場する脳科学者、スティーブ・マイヤーによると、この思考は「実際に逆境を経験し、それを乗り越えたとき」に得られるのだという。

つまり、どんな逆境に遭遇したとしてもその状況を打開した経験を持つ人は、「自分がこうすれば、きっとこうなるんだ」と思えるようになり、物事を”楽観的”に捉えられることで、ポジティブな未来を想像できるのだ。

 

能力を「固定思考」でとらえていると、逆境を悲観的に受けとめるようになる。そのせいで、困難なことをあきらめてしまうだけでなく、やがて最初から避けるようになる。それとは逆に、「成長思考」でいると、逆境を楽観的に受けとめられるようになり、そのおかげで粘り強くなれる。新しい試練が訪れても臆せずに立ち向かうため、さらなる強さが培われる。

 

また、逆境を乗り越える経験は、できるだけ若いうちに、なおかつちょっと困った程度ではなく、”非常に大きな逆境”を乗り越えた経験の方が、成長思考を得やすいという。

このブログを見に来てくれた成長意欲の高い方なら誰でも、逆境を経験しているはずだ。そんなあなたなら、もしこれから強い向かい風に当たっても、成長思考を持ち、楽観的に考えることで逆境でも粘り強く頑張れるはずだ。そして、その経験がまたあなたを強くし、成功へと導いてくれるのだろう。

 

まとめ

本書は2013年の米国のマッカーサー賞(天才)を受賞し、全米を震撼させた良書だ。著者本人も、幼少の頃から父に「お前は天才ではない。」と口酸っぱく言われてきたという。そこからグリッドを高めていった著者の生き様は、まさに努力によって天才へと登りつめた人物と言っても過言ではないだろう。

 今回は文字数の都合上ご紹介できなかったが、本書では自身の「やり抜く力」を診断できるグリット・スコアツールで現在地を測定することが可能だ。

またグリットの前提となる「本当に好きなことを見つける方法」や「外部の力」を利用して「やり抜く力」を高める方法、また著者の子育て論など、豊富な実験結果や経験談をもとに描かれている。

「自分は天才ではないから」と先天的な才能だけで自分の人生を決めつけてはいけない。努力で次第で向上可能な「やり抜く力」を高めたいという方には目からウロコの一冊になること間違いなしだ。

 

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