VISIONの文脈

ONE VISION , BIG FUTURE

ちきりん氏から学ぶ『高生産性社会』の生き方 -「自分の時間を取り戻そう」

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「効率性」より「生産性」を追求しよう 

 

" 生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のこと "

 

テクノロジーの発展により「効率」が強く求められるようになって久しい。しかし、これからは「生産性」こそが重要であり、社会の「高生産性」へのシフトは不可避だと説くのが社会派ブロガー「ちきりん」氏。

今回は、本書からこれから向かっていくであろう「高生産性社会」と「生産性の高め方」について個人的に気になった部分をコメント付きで紹介していく。

 

" 今の社会で進みつつある大きな変化。それらを俯瞰したとき、私たちが理解すべきこと、身につけるべきスキルとはなになのか。 本書を読まれたみなさんが自分の時間を自分の手に取り戻し、やりたいことを少しでも多く実現できる「自分の人生」を謳歌できますよう、この本によってそのお手伝いができることを、著者として心から願っています。"

 

 

 

 

社会の「高生産性化」は不可避

 "社会が急速に「高生産性社会」へとシフトし始めています。"

高生産性社会へのシフトとは、「社会全体が、生産性が高まる方向にどんどん動いていく」という意味です。つまり、これから世の中に存在するあらゆる資源は、今までよりはるかに高いレベルで有効活用されるようになるのです。"

" 車の空き時間、家の空きスペース、人生で余っていた時間、という3つの資源が、UberとAirbnbにより有効活用されるようになった——いうなればUberは、個人所有の自動車とその持ち主の時間の生産性を、Airbnbは個人所有の不動産とその持ち主の時間の生産性を上げることで価値を生み出し、それを換金するというビジネス。"

" つまり、今後タクシーシステムからUberシステムへの移行が必然的に起こると考えられる理由は、後者のほうが圧倒的に生産性の高いシステムだからなのです。そしてこれからはあらゆる分野でそういう方向(=生産性が高くなる方向)に社会が変わっていきます。これが、高生産性社会へのシフトという現象なのです。"

" 社会の高生産性化は不可避であり、もはや後戻りすることはありません。だからなにか新しい技術やビジネスを目にしたときは、それを生産性という判断軸で評価することがとても重要となります。"

 

本書で述べられるている通り、AirbnbやUBERをはじめとしたCtoCのシェアリングサービス市場は右肩上がりに伸びている。

www.vision-context.jp

 

先日発表された「Amazon Go」や「Amazon DASH Button」も「高生産性社会」へのシフトが不可避であることを象徴していることの証左だろう。この流れはもはや逃れることはできない。

 

 

 

人の時間を奪うな

" 堀江貴文さんは、彼が運営するフェイスブックのコミュニティに長文メッセージを書き込む人に対して「相手の時間を奪うな」と怒るそうです。"

" 長文メールを送ってくる人には(メールが長すぎるという理由で)返事もしないし、ましてや絶対に会ったりもしません。"

" やたらと長いメールを送ってくる人や、「とりあえずご挨拶を」と言ってくる人は、それだけで、生産性の概念を持たない人だとわかります。"

" 自分の時間の貴重さに気づいていないため、他者の時間の貴重さにも無頓着なのです。このため生産性に敏感な人たちは、彼らに会う前から、「こういう生産性を理解しない人とは一緒に仕事をしたくない」と判断してしまいます。"

" 生産性の高い人たちは、生産性の意識を持っている人、そして、生産性は高いほうがいいのだとわかっている人だけと付き合いたい、一緒に仕事をしたいと思い始めています。だから(厳しい言い方ですが)生産性への意識が低いことを自分の言動によって示してしまうと、それだけで排除されてしう時代になっているのです。"

 

人の「お金」を盗んだら罪になるように、人の「時間」を盗むことも罪。いわば「時間泥棒」だ。ちょっと過激な言い方になってしまったが、他人の時間を安易に奪ってしまうことがないよう心がける意識を持とう。

これはメールやチャットアプリに限らず、電話だって人の時間を奪う凶器にもなる

 

" 仕事ができる人は適当に電話しないと思います。電話はメールと異なり、同時間性のツールであり、自分の都合の良い時間にレスできません。相手の時間を突如として奪う、極端にいうといわばレイプのようなものです。ビジネスにおける、犯罪だとすら思います。私の貴重な営業時間を犯さないで!"

 

thestartup.jp

 

 

 

生産性の高め方にも「個性」がある

" 大前研一さんはその著書『大前研一 敗戦記』の中で、日立製作所で研究者として働いていた頃、自分のデスクを離れて社内の敷地を散歩しながら考えていたら、勤労部からさぼっているようにみえるからやめてくれと怒られ、「自分は頭の中で考えてここ(裏庭)でも仕事をしているんですよ」と答えたエピソードを紹介しています。"

"「思考の生産性を高めるために散歩をする」という働き方を受け入れられない会社では、「思考するのにもっとも生産性の高い方法はなにか?」という発想は出てきません。"

" 落ち込んだときやイライラが募ったときに意識的にその方法を使えば、気分転換やリラックス感といった「手に入れたい成果」を高い生産性で手に入れることができるのです。"

"「お酒を飲めばストレスを解消できる!」という人も、「どこでどんなおを飲むのがもっとも生産性の高いストレス解消法なのか」と事前に考えておけば、イライラしたときに突発的に高いお店に飛びこんでしまうことも減るかもしれません。"

" このように、「今、自分が手に入れたいモノを手に入れるための、もっとも生産性の高い方法はなんなのか?」と問い続けていれば、なにをするにも生産性がどんどん高くなります。手に入れたいのが物理的なモノだけではなく、「安らぎ」や「気分転換」であったり、「革新的なアイデア」や「ユニークな発想」であっても同じです。"

" そして時間を大切にするためにもっとも気をつけるべきことは、自分の時間を簡単に売らないことです。"  

" 時間の価値が非常に大きいと考える人は、安い値段で時間を売りたいとは考えません。そして、できるだけ高く時間を売る方法はなにかと考えるようになります。これが「どう付加価値をつければ、自分の貴重な時間を高く売れるか」という発想につながり、その人の時給(1時間で稼げる額=生産性)を上げていくのです。"

 

人によって生産性を高める方法は違う。アイデア出しの生産性を高める方法も人それぞれに決まっている。例えば、それは本書でも触れられている大前研一さんのように散歩をすることかもしれないし、ジムに行って体を動かしたり、車に乗って移動することかもしれない。

オフィスに集まって6時間も缶詰めになることが良いと考える人もいるが、それが皆にとって必ずしも最良な方法になるとは限らない。

 

 

生産性の高い「メール」の使い方 

" 私はもう10年以上前から、「すべてのメールに返事をする」のをやめています。"

" すぐに返事をすると、またすぐに相手からリアクションが返ってきます。"

" 優先順位の高い仕事がすべて終わるまで、余計なことには目をくれないほうがいいのです。" 

" また、私の使っている日本語変換ソフトには、「りょうかい」とタイプして変換を押すと、「了解いたしました。よろしくお願いいたします。」と出てくるよう登録してあります。「せっかく」とタイプして変換すると「せっかくお声掛けいただきましたのに、貴意にそえず大変申し訳ございません。どうぞよろしくご理解のほど、お願い申し上げます。」と変換されます。"

"「今、このメールに返事をするために、私の貴重な時間を本当に使うべき?」と考えるのです。"

 

相手から来た依頼のメールに対してすぐに返事をすると、そこからやりとりに時間を取られる。これはすごく共感した。例えば、企画書を作成している時に、いちいちメールや電話に対応していたら、作業が捗らないのは目に見えている。

この対処法として、例えば、「夕方の1時間だけをメールやチャットへの返信や電話をかけ直す時間にあてる」とすれば、生産性は高まるだろう。

これは、フリーランスだとすごくやりやすい。まだまだ下っ端だったサラリーマン時代には、とてもじゃないがこんなことはできなかった(自分で時間はコントロールしづらい)ので、今はとても生産性が高まっている。

 

 

 

「人付き合い」と生産性

" 気乗りしない人付き合いを止めるのも、生活の生産性を高めるのに効果的です。何度も断ると悪いから、自分だけ行かないのは申し訳ないからといった理由で、億劫な飲み会に参加する必要はありません。「みんな仲良く」も、脱却すべき横並び価値観のひとつです。"

" 人付き合いに関しても、より生産性の高い方法がないか、考えてみましょうと言っているのです。年賀状は出さないと決める代わりに、フェイスブックに単なるコメントではなく、1年の振り返りや来年への抱負を含めたそれなりの挨拶文を掲載すれば、一言コメントを載せた年賀状より、よほど詳しく近況が伝えられます。"

 

愚痴ばかりの飲み会や話してもたいして刺激のない人からとりあえず飲みに行こうよ的な誘いに自分の貴重な時間を割くべきか慎重に判断しよう。

もし、自分の時間を差し出してまで行く必要ないと判断したなら、ハッキリと断るべき。そうしないと、しつこく誘われるかもしれないし、そのやりとりもエネルギーと時間の無駄になってしまうからだ。

 

 

「途中でやめる勇気」も必要

" ゼロから8割のデキまでは2割くらいの時間で到達できるけれど、残りの2割を仕上げて完璧を目指すには、今までの4倍(8割分)もの時間がさらに必要になるということです。 どの時点であっても、時間をかければその分、上達はできます。しかしそのペースは、ある時点(☆時点)から一気にペースダウンします。このため学びの生産性を気にしない人は、この☆時点から後、延々と「まったく上達が実感できないのに、頑張り続ける」という状態に突入します。"

" でも自分にとって大して重要ではない分野なら、☆時点に達したところで止めるというのが、ひとつの合理的な判断です。" 

"「何をやっても中途半端な人」などと批判する人がいますが、私はこのスタイルのなにが悪いのかわかりません。"

" こういう人は、自分の貴重な時間を学びの生産性が極めて高いフェーズにのみ投入している、とても合理的な人です。"

"「途中で止める」コトに伴う意味のない罪悪感にとらわれず、「学びの生産性が低くなってきたな」と思ったら、「これは本当に自分にとって、希少資源である時間を投資すべき分野だろうか?」と考えましょう。「頑張り続ける」のではなく、「ここは自分が頑張るべき分野なのか?」と考え厳選すること。それが重要なのです。"

 

何か新しいスキルを習得するとき、ゼロから8割までは2割くらいの時間で出来る、と本書では言う。

確かにこのフェーズは成長曲線が上昇していく段階だから学びが楽しい。しかし、一定の段階までくると「行き詰まってきた感」を持つのも確か。

ひとつのことを突き詰められる人なら、苦しい時期を耐えながら10割を目指してもいいし、飽きっぽい人なら8割型そのスキルを習得出来たと思ったならまた他のスキルを習得するのも生産性を高めることになる。

例えば、Webデザインのプロフェッショナルもいいが、Webデザインとコーディングが出来て、更には経営やコピーライティング、PRのプランニング力がそれぞれ8割出来るという人はハイブリッドなスキルを持つ人として、重宝されるかもしれない。

 

 

生産性が「豊かさ」を生む

"生産性が高くなるということは、限られた希少資源が最大限に活用され、今より何倍も大きな価値が生み出されるということです。それにより今よりずっと安い値段で、今よりはるかに高い価値が手に入れられるようになります。社会の生産性が上がって得をするのは、決して強者だけではありません。すべての人がより豊かな生活を手に入れるためにも、社会の高生産性シフトはとても重要な役割を果たすのです。"

" 週休3日制の実現などで休みが増えれば、個人として生きる時間が増えていきます。最初は趣味や家族に時間が使えて嬉しいと思いますが、一生の間で合計すれば、週1日の休日の増加は膨大な「個人としての人生の拡大」を意味します。 職業人としてではなく、個人としてどのような人生を送りたいのか、仕事以外では、人生の時間をなにに使いたいのか。今よりはるかに強く、生きる意味について問われる時代がやってくる——それこそが高生産性社会を迎えるにあたって、多くの人が直面する本当の課題なのかもしれません。"

 

高生産性の社会が実現すれば、今のように週5日で朝から晩まで働くことはなくなるだろう。今では、週休3日制を導入する企業も出て来ているし、いづれは「月、水、金だけ出社」「月〜水だけ出社」といった勤務形態もあり得るかもしれない。

そういった企業が出て来たら、僕も企業に勤めるのもアリかなと思うし、いずれはそういった会社をつくるのもありかなと思ったりしている。

 

 

これからの生き方を考えるにはLIFE SHIFT(ライフ・シフト)がオススメ。

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ダラダラやり過ごすことはもうやめよう

" ダラダラやっているとなんとかやり過ごすことができます。ところが生産性を上げて向き合うと、嫌いなことにはすぐに耐えられなくなるのです。" 

" 仕事がおもしろくない会社員は、たいていダラダラと働いています。さっさと働くと、終業までの時間が長すぎて耐えられないからです。みなさんにもひとつくらい「嫌いなことが終わるまでダラダラとやり過ごした」という経験があるのではないでしょうか。" 

" 仕事をやめようかどうしようかと半年も1年も悩んでいる人は、たいてい〝ダラダラモード〟に入っています。そのモードであれば、1年でも2年でも、場合によっては5年でも10年でもブツブツ言いながら働けてしまいます。"

 

本書でも述べられているように、もう何年も転職を考えている(が、ずっと動けない)という人がいる。

ダラダラモードは生産性の敵なので、ホリエモン著のゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していくを読んでいただき、「行動できない」という負のスパイラルからぜひ抜け出してほしい。

 

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生産性を高めたフリーランスの陽子

" 陽子は半年前、「人生で初めて仕事を断った日」のことを振り返った。 依頼主は数ヶ月に一度、思い出したように仕事を発注してくる客だった。依頼が入るのはいつもギリギリのタイミング。おそらく他のワーカーが急に仕事を降りたため、駆けこみ寺のように陽子に発注してくるのだ。" 

"「スケジュール的に厳しいので……」と生まれて初めてお断りメールを書いたときは、送信ボタンを押す指が緊張で震えた。自分は今までずっと断られるほうの立場にいた。リーマンショックの直後に就活をしていた頃は、毎日何通ものお断りメールを受け取っていたのだ。"

"「仕事を全部受けていたら、単価は一生上がらないわよ」とアドバイスしてくれたフリーランスの先輩がいる。でもその言葉を聞いたときは、意味がよくわからなかった。断ったら仕事が減るだけだ。なぜ単価が上がったりするのか。" 

" でも本当の意味で「売れる」というのは、「自分のペースで仕事を選んでいても、仕事の依頼が途切れない」ということだ。それだけの技術を身につけ、それだけの実績を上げなければ、いつまでも長時間労働の生活からは逃れられない。" 

" やるべきことは頑張ることではなく、頑張らなくてもいいだけの技術を身につけること。"

" でも「有名企業だから」という理由で安く仕事を引き受け続けたら、どこかで「この人はそういうレベルの人だ」と認定されてしまう。"

" 陽子は引き受ける仕事を2種類に絞った。ひとつは単価が高くて得意な仕事。そしてもうひとつが、新しい技術に挑戦できる背伸びの必要な仕事。自分をアップグレードできる仕事なら、少々単価が低くてもいい。それがいい結果につながるかどうか、今はまだわからない。でも今までの働き方の先に明るい未来が存在しないことは火を見るより明らかだった。だったらやり方を変えるしかない。"

" もう絶対に、あんな生活には戻りたくない。自分の時間を取り戻したい。自分の人生は発注主のためではなく、自分自身のために使いたいのだ。"

 

駆け出しの頃は仕方ないとして、ある程度フリーランスとして自信を持つことができたら、本書に登場する陽子のように「仕事を断る勇気」を持つべき。

これは僕も経験があるが、ずっと同じクライアントと同じような仕事を同じような単価で受けていると仕事内容も金額も変わることはない。

だから、リスクヘッジとしても有効となる複数クライアントを持つようにして、クライアントを分散させるように意識すれば、企業ごとで金額も違ってくることが分かるし、自身のスキルにもバリエーションが出てくるはず。

そうすることで(複数のクライアントを持つことで)、金額の交渉時にもプラスに働くし、気が向かない仕事なら断ることができ、自分のリソースを本当に大事なことだけに注力できる。

また、複数のクライアントワークだけでなく、自社事業を持ち一定以上の収益を生み出すことができたら理想だ。

例えば、独身フリーランスの場合なら、ブログやWebサービスの開発でもなんでもいいが、自分が生み出したコトで月30万稼ぎ、あとは自分がやりたいと思ったクライアントワークのみを受け月20〜30万貰えれば、余裕で生きていけるだろう。

 

 

本書は、 ちきりんさんの持つ「生産性」への考え方と会社員の正樹、ワーキングマザーのケイコ、フリーランスの陽子、起業家の勇二の4人の成長ストーリーを描いた良書なので、興味を持った方はこの機会にぜひ手にとってみて欲しい。

 

 

 

 

Feature

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