VISIONの文脈

ONE VISION , BIG FUTURE

スタートアップのバイブル 16人のチームが300万人の顧客を生み出した企業哲学とは

f:id:y-bluefield:20160908154246p:plain

大きいことはいいことか?

かつて、「大きいことは、いいことだ。」と言われていたように、会社の規模を拡大し、製品を大量に生産することをよしとされているという時代があった。いまでも、人気企業ランキングでは、大手商社や銀行が上位を独占している。

アメリカでも日本と同じように規模が大きいことを絶対視する風潮があるが、その世の中に対してのアンチテーゼとなったのが、本書。

「その会社に最適なサイズ(規模)をみつけよう」と説いている。 

16人で300万人のクライアントを抱える米ソフトウェア会社「37シグナルズ」の創業者たちの独自の経営哲学がなんとも痛快な言葉で記されていて、「起業したい」「週末を利用してスモールビジネスを始めたい」「会社で新規事業を立ち上げたい。」という方に最適な本だ。

 本書から、「個人」や「少数精鋭」の「小さなチーム」でビジネスを立ち上げ、遂行していくうえで大事な視点が学べる。 

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 21人 クリック: 325回
  • この商品を含むブログ (36件) を見る
 

 

37シグナルの持つ思想

  1. 自分に必要なものをつくる
  2. 芯から始める
  3. 競合を気にしない

 

自分に必要なものをつくる

「自分で事業を始めたいと思ってはいるけど、何から始めればいいか分からない。」と、頭を抱える人は多いだろう。

そんなときにまずやるべきことは、「自分に必要なものは何かを考える」こと。

他人が欲しいものを調査し、それを作りはじめるまでには時間も手間も掛かるが、まずは「自分が欲しいもの」は何かを考え、「自分に必要なもの」が分かればすぐにでも作りはじめられるからだという。

 

他人の問題を解決しようとするのは、暗闇の中をむやみに進もうとしているのと同じだ。解決しようとしているのが自分自身の問題であれば、足元は明るく、どれが正しい答えかがわかるはずだ。

 

37シグナルズでも、まずは「自分たちのビジネスに必要な製品」から作り始めたと言う。

自分が本当に必要なものをつくるこのアプローチによって、「作り手はつくるものと恋に落ち」、一生ものの仕事として熱意を持って取り組むことができる。

そしてこのとき、重要になってくるのは最初から「ディテール」にこだわりすぎないこと。

 

芯から始める

いざ事業を始めようというときに重要なのは、「芯から始める」こと。

細かい部分に関しては、アイディアが膨らんでいくにつれて変化していくもの。その点を早期から議論しても徒労に終わる可能性がある。

 

 たとえば、ホットドッグの屋台を始めるなら、香辛料、カート、名前、デコレーションと、いろいろ心配することがあるだろう。しかし、まず一番に考えるべきことはホットドッグだろう。ホットドッグこそが芯の部分。他の部分はあとで考えればいい。

 

37シグナルズの企業哲学では、事業開始の初期段階において「ディテール」にはあまりこだわりすぎず、「根本的なところを固めて、特殊なところはあとで考えればいい」と説いている。

「芯から始める」ことから着手することで、一番重要でビジネスの根幹になる部分に最大限の時間と労力をコミットさせることができる。

このとき、多くの企業では競合をリサーチして、如何にそのマーケット内で「差別化」をはかるかにフォーカスすることがセオリーだが、37シグナルズは「競合は気にしない。」と説く。

 

 

競合を気にしない

メーカーなどが新商品を企画する際に、まずはマーケティングの一環として市場や競合の動向をチェックすることが常識となっている。

 しかし、37シグナルズは、この考え方を否定し、「競合他社にたいしてあまり注意を向ける価値はない。」と言っている。

市場や競合は常に変化する生き物のようなものであり、昨日まで当たり前だったことが、今日には過去のコトになっている可能性もあるので、そんなことをいちいち気にする必要はないというわけだ。

 

他人を心配するのに時間を費やしていると、その時間をあなた自身の向上に費やすことができない。

 

「他のひとではなく、自分にフォーカスする」ことが自分の価値向上へと繋がる。そして、市場においても自とオリジナリティを発揮できるようになり、「他社が真似できない」事業へと成長する、と説く。

 

もしあなたが単にだれかをそっくり真似ているのだとしたら、あなたには何も意味がない。たとえ敗北に終わったとしても、単に他を真似るのではなく、あなたが信じていることで戦うほうがいいのだ。 

 

もしあなたが競合の真似をするだけなのであれば、その事業をあなたがやる必要はない。そうではなく、「あなた自身を製品やサービスの一部」にし、「製品にあなたのユニークさを注入する」ことで、「他の人が提供できない」あなただけのサービスとなり、あなたがその事業を遂行する意味があるのだ。

 

まとめ

市場がめまぐるしく変化する時代、「小さなチーム」がここまでご紹介してきた視点を持つことで、大企業にはできない機動力を活かしたビジネスが展開できる。

本書では、事業開始後のアーリーステージについても言及しており、「無名であるのは、すばらしいことだ。」と言っている。

すなわち、(サービスリリース直後の)無名であるいまは、「世間にあれこれ言われず」リスクの小さいステージで自分の持っているアイデアを試すことができる良い期間なのだと。

この点を詳しく知りたい人は、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。

本書は、自身の成功哲学とその経験を分かりやすく噛み砕いた「生きた言葉」がふんだんにちりばめられていて、シンプルなイラスト付きでとても読みやすく、スモールスタートのエッセンスが凝縮されたこれからの時代の「経営のバイブル」だ。

個人で事業を始めたいという人、あるいは大企業で新規事業を始めたいという人など、とにかく自分でビジネスをスタートしたいという方は必読だろう。

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

  • 作者: ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン,黒沢 健二,松永 肇一,美谷 広海,祐佳 ヤング
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/01/11
  • メディア: 単行本
  • 購入: 21人 クリック: 325回
  • この商品を含むブログ (36件) を見る
 

 

©BLUE FIELD. All Rights Reversed.